高校野球監督にスポットを当てた人気シリーズの第5弾。
今回はサブタイトル「頂点に挑んだ男たち」にあるように、春夏の甲子園で決勝まで進んだことのある監督たちを取材している。
以下、印象に残った章を挙げます。
第1章に登場するのは中京大中京・大藤監督(2010年夏退任)。伝統と実績ある野球部だが、驚きの事実がいくつかある。1、専用球場なし。2、寮なし。3、部員数は各学年約25人。
第5章は駒大苫小牧・香田誉士史元監督(現鶴見大コーチ)。連覇を果たした後の異常な盛り上がり、不祥事によるバッシングによる心の傷は今も癒えていないという。しかし再び高校野球に戻りたいという意欲はあるとのこと。
第6章は興南・我喜屋優監督。春夏連覇してもこともなげな監督だったが、言うことも他とはひと味違って非常に個性的。連発される名言に注目。
最後にちょっと苦言。今回は優勝か準優勝を経験した監督だけが登場している。見方を変えれば「実績だけでノミネート」ともとれる。パート6は、以前のように甲子園にはなかなか来ないが個性的な監督を取り上げるスタイルに戻って欲しい。
☆構成
第1章 大藤敏行(中京大中京)
第2章 西谷浩一(大阪桐蔭)
第3章 百崎敏克(佐賀北)
第4章 和泉実(早稲田実)
第5章 香田誉士史(元駒大苫小牧)
第6章 我喜屋優(興南)
第7章 岡本幹成(聖望学園)
第8章 多賀章仁(近江)
第9章 中原英孝(長野日大、元松商学園)
特別編 尾藤公×松下博紀(箕島)
監督と甲子園6 頑張れ公立高校!(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
海のかなたの甲子園 沖縄・本土復帰への祈りと52年目の全国制覇(市川実/双葉社)
監督と甲子園5 頂点に挑んだ男たち(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
蔦文也と池田高校 教え子たちが綴る“攻めだるま”野球の真実(畠山準、水野雄仁、江上光治/ベースボール・マガジン社)
真実の一球-怪物・江川卓はなぜ史上最高と呼ばれるのか-(松井優史/竹書房)
北の球人 元氣、本氣、一氣、佐藤茂富の高校野球(岡崎敏/日刊スポーツ出版社)
監督と甲子園4 輝く個性を放つ指導者たち(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
全員野球 中村良隆監督物語(山口真一/一草舎出版)
あきらめない限り、夢は続く 愛工大名電・柴田章吾の挑戦(田尻賢誉/講談社)
阿波の「攻めダルマ」蔦文也の生涯(富永俊治/アルマット)
嶋清一 戦火に散った伝説の左腕(山本暢俊/彩流社)
ハンカチ王子と老エース 奇跡を生んだ早実野球部100年物語(門田隆将/講談社)
監督と甲子園3 人を育てる。すべては未来のために(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
Teikyo〜帝京高校野球部と前田監督〜(中里洋二朗/協力・帝京高校)
監督と甲子園2(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
炭鉱町に咲いた原貢野球 三池工業高校・甲子園優勝までの軌跡(澤宮優/現代書館)
球聖飛田穂州伝(神門兼之/つげ書房新社)
監督と甲子園(藤井利香/日刊スポーツ出版社)
魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ 決定版(立石泰則/小学館)
攻めダルマ 蔦さん -池田高校・蔦文也監督遠望(大川公一/アーバンプロ出版センター・街と暮らし社)
蔦文也のIKEDA行進曲(北原遼三郎/洋泉社)
落ちこぼれの甲子園 横浜高校野球部の奇跡(軍司貞則/講談社)
甲子園への挑戦 高校野球監督列伝[1](徳丸壮也/星雲社/刊々堂出版社)