「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて、2011年8月現在も連載中の「ラストイニング」。
リアルな描写で野球マンガ通を唸らせる「ラスイニ」。でも、そのリアルさはどれほど現実の高校野球に近いのか? 野球界で有名なスポーツライターたちが魅力を語り尽くす。
普通、マンガ解説本といえばマンガ研究家が書く事がほとんどですが、この本は高校野球の現場を知ってる人たちで書かれているのが最大の特徴。
例えば、甲子園未経験の古豪・瑞雲を率いる大利根の心理を探るくだりでは、実際に甲子園経験のない高校の監督さんにインタビュー。
ワンマンチームの埼玉栄冠を解説する章では、埼玉のある高校で1年春からエースをはった選手のエピソードを紹介。
比較するだけじゃなく、本編の面白さも解説。
予選7試合の分析はもちろん、ショート蓮沼の貢献度の高さや、聖母学苑・桐生監督の人心操作術といったマニアックなものまで満載。
ラスイニ本編と高校野球両方に詳しくないと楽しめない、敷居の高い本ですが、どちらもクリアする人にはストライクゾーンどまんなかの面白さです。ぜひ読んでみてください。
☆著者一覧
ツクイヨシヒサ、石黒謙吾、中村計、樫本ゆき、村瀬秀信、田口元義、菊地高弘