この年関東一の正捕手をつとめていたのが三輪隆。下手投げのエース平子浩之(東洋大−日本通運)をよくリードし、また4番に座る打撃でも実力を発揮した。
初戦、三輪は超特大アーチを放ち、全打点を上げる活躍で明徳義塾を粉砕。平子もよく投げ3−1で勝利。続く市岡戦では4回の三輪のタイムリー二塁打を皮切りに一挙5点を奪い、平子も完封して5−0の快勝。準々決勝の八戸工大一戦は延長13回に及ぶ熱戦になった。2点をリードされる苦しい展開も、三輪の本塁打などで追いつき13回裏に川手恭成の三塁打でサヨナラ勝ち。三輪は平子−山岸朋弘−平子の継投リレーをリードした。
準決勝の池田戦では立ち上がりに打線が爆発、打撃戦を制し7−4で勝利。2度目のセンバツで甲子園決勝進出を果たすのである。
決勝のPL学園戦では、関東一は投打ともに精細を欠いた。初回、三輪が投捕間に上がったフライをお見合いでファールにしてしまうと、それをきっかけに平子が連打を浴びて2点の先制を許す。4回に三輪のタイムリーで1点を返すも以降は野村弘(大洋)−橋本清(巨人)のリレーにかわされ、終盤に集中打を食らって1−7の敗戦。
動画:1987年春の甲子園・PL学園との決勝戦
夏の東東京大会では、準々決勝で修徳に5−12の7回コールド負け。
卒業後は明大、神戸製鋼でもプレーし、93年にオリックスに2位指名を受け入団。2004年には選手会長もつとめ、この年限りで引退。現在はオリックス・バファローズの二軍バッテリーコーチ。
戦績 | 対戦相手 | 打撃成績 | ||
1986年春 1回戦 |
1回戦 | 天理 | ●3−5 | 出場なし |
1987年春 準優勝 |
1回戦 | 明徳義塾 | ○3−1 | 4打数2安打3打点 1本塁打 |
2回戦 | 市岡 | ○5−0 | 2打数1安打2打点 | |
準々決勝 | 八戸工大一 | ○3x−2 | 5打数3安打1打点 1本塁打 | |
準決勝 | 池田 | ○7−4 | 4打数1安打1打点 | |
決勝 | PL学園 | ●1−7 | 4打数1安打1打点 | |
総合成績 | 19打数8安打 打率0.421 |